ポリエステルタフタ?ポリエステルオックス?カタログ値の謎のスペックについて解説。
こんにちは。球技が苦手なはんみおです。
テントやタープなどのカタログを見ていて、よく記載されている、75Dポリエステルタフタや210Dポリエステルオックス。
それに加えて、遮光ピグメントやテフロン撥水加工、PUコーティングなどなど…。
よくわからない、仕様が記載されています。
実はこれ、知っていたら幕選びで少しだけ役に立ったり…。
って事で今回は、幕に施工されている謎の仕様について、スノーピークの幕を例に解説して参ります。
デニール
75Dポリエステルタフタの"D"の部分。
これは「デニール」と呼び、繊維の太さを表す単位です。
具体的には、1グラムの重さあたり9,000メートルの長さの糸の太さを表します。
例えば、1デニールの糸は9,000メートルあたり1グラムであり、2デニールの糸は9,000メートルあたり2グラム。
なので"75D"となれば、9,000メートルあたり75グラムとなります。
デニール数が高いほど、繊維が太くて強度が高く、反対にデニール数が低いほど繊維が細くて柔らかく、軽い素材となります。
ポリエステルタフタ
ポリエステルはその名の通りの素材。
タフタは平織りであり、非常に細い糸を密に織り上げた滑らかな仕上がりの生地です。
タフタ生地の特徴は耐久性が高く、防水性と通気性が良い事。
ですが、燃えやすい素材であるため火気の取り扱いには注意が必要。
また、
生地が硬い故に、縫い目が破損しやすいです。
ポリエステルタフタが使用されているスノーピーク幕は、エントリーライン全般とリビングシェルなどに採用されています。
ポリエステルオックス
縦糸と横糸を交互に交差させる織り方の一種で、表面には凹凸のある独特な質感があります。
ポリエステルタフタとの違いは簡単に言うと、ポリエステルタフタのレベルアップバージョンです。
耐久性、防水性に関しては申し分は無いでしょう。
ですが、
タフタ生地と同様、縫い目が破損しやすいのは変わらない点です。
さらにデメリットを上げると、幕が丈夫な分タフタ生地よりも重く、乾きにくいのが難点。
150Dポリエステルオックスが使用されている主なスノーピーク幕は、ランドロックやリビングシェルロングpro、ゼッカなどの高級幕。
幕が重い理由が良くわかります。
210Dポリエステルオックスはテントなどのボトム部に使用されているのが一般的ですが、タープにもこの生地は採用されています。
ちなみに、ランドブリーズProのボトム部にいたっては、300Dポリエステルオックス。
その耐水圧は、脅威の10,000mmミニマムです。
ポリエステルリップストップ
強度や耐久性に優れた合成繊維の一種で、糸の間隔を定期的に詰めることで織物の強度を高めたもの。
このリップストップ技術を用いて作られた織物は、織り目に沿って小さな四角形が現れます。
ポリエステル素材は、軽量で速乾性に優れ、カビや紫外線にも強いのが特徴。
耐水性も高く、リップストップ技術によって繊維が切れることを防ぐため、強度や耐久性も高いです。
ただし、ポリエステル素材の特性上、静電気が起きやすく熱に弱いため、火気の近くでは注意が必要。
使用されているスノーピークの幕としては、ランドブリーズProのフライシートに採用されています。
遮光ピグメント
遮光ピグメントは、テントの生地に添加することで、光の透過を抑えることができる特殊な顔料。
テントに遮光ピグメントを使うことで、太陽光や明かりなどの光を遮ることができ、暑い日差しや眩しさを軽減することができます。
遮光ピグメントを使った生地は、UVカット効果があり、紫外線からも保護することも可能。
また、遮熱性もあり、テント内部の温度上昇を抑えることができます。
デメリットを上げると、
通気性が低く、ムレや湿気の発生を招きやすいです。
PUコーティング
ポリウレタンを使った一種の塗料のことで、防水性や耐久性が向上します。
テントの生地にPUコーティングを施すことで、ポリウレタンの粒子が繊維間に入り込み、繊維同士をしっかりと固定することができます。
その結果、テントの生地は耐水性が向上し、雨水の侵入を防ぐことが可能。
また、PUコーティングによってテントの生地がより頑丈になるため、摩擦や破れに対する耐久性も向上します。
〜mmミニマム
耐水圧は、生地がどれだけの水圧に耐えることができるかを示す指標の一つです。
耐水圧は、「mm」という単位で表されます。
「mm」は、1平方メートルの面積に対して、1分間に何ミリリットルの水圧が加わった場合に、生地が漏水することなく耐えられるかを示す数値。
例えば、テントの耐水圧が「1,500mm」となっている場合は、1平方メートルの面積に1,500ミリリットル(1.5リットル)の水圧が1分間加わっても、生地が漏水することなく耐えられるということを示します。
耐水圧が高いほど、生地が雨水を弾いて漏水しないため、雨天時でも快適に過ごすことが可能。
ただし、耐水圧が高いほど生地が厚くなり、重くなってしまうため、耐水圧だけにこだわると、テントの携行性が悪くなってしまう場合もあります。
スノーピークにいたっては、耐水圧の表記に“ミニマム”という単語がついています。
たとえば、アメニティドームの生地の耐水圧は1,800mmミニマムですが、平均値が1,800mmなのではなく、
“どこを計測しても最低1,800mmミニマム“
なのがスノーピーク独自の表記。
市販されている製品の耐水圧の表記方法は、ほとんどが生地上の計測の平均値であり、当然表記の数値より低い値の箇所も存在します。
ミニマムは、どこの1点を計測しても耐水圧の最低の数値が1,800mmを保証するのが、スノーピークのスペックです。
テフロン撥水加工
テフロン撥水加工は、ポリテトラフルオロエチレンを使った一種の撥水加工のこと。
テントの生地にテフロン撥水加工を施すことで、雨水や水滴が生地の表面に弾いて、浸水を防ぎます。
また、撥水効果によって生地表面が濡れにくく、速乾性が高くなるため、テントの乾燥が早いのもメリット。
防汚性が高く、汚れがつきにくいです。
ですが、テントに使用する生地は通気性が重要であり、撥水加工によって生地の通気性が低下する場合があるため、テフロン撥水加工が必ずしも適しているわけではありません。
また、撥水効果が長期間持続するわけではなく、使用頻度や洗濯によって徐々に効果は低下することもあります。
UVカット加工
紫外線は、日光の中の一種であり、長時間の屋外活動において、肌や目にダメージを与えます。
テントの生地にも紫外線によるダメージが発生し、色あせや劣化が起こる事も…。
そこで、テントの生地にUVカット加工を施すことで、テント自体を紫外線から保護します。
ただ、UVカット加工によって生地の通気性や撥水性に影響を与える場合がある上、劣化や色あせを完全に防ぐことはできず、これも定期的な手入れとメンテナンスが必要です。
まとめ
この知識を持てば、天候に合わせた幕選びができ、ちょっとした変態になれます。
まあ、今後キャンプを続けていく上で、
「この知識あってよかったー!!」
って思う事は、あんま無いかも…。
以上、テントの謎の仕様について解説して参りました。
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